Blood Tear
左目を負傷し力の使えないセルビアは2人から一方的な攻撃を受けていた。
身体全体から血を流し、荒い息の彼女は壁に身をぶつけ床に倒れ込む。
フードを目深に被るライアは何が可笑しいのか笑い続け、彼女の瞳を完全に駄目にする為レイピアを突き刺そうとする。
しかし、何が起こったのかライアはふらつき背後に回った男にもたれかかった。
「ライア……?」
「心配ない…久々の戦闘で身体がついていかないだけだ」
男は心配そうに声をかけると、苦しそうに唸るセルビアに剣を向けた。
だがそんな彼をライアは止め、もういいと言う。
既に虹色の瞳は使い物にならないと、彼はセルビアを殺す事なく立ち去って行く。
その後を男も追い、身動き一つ見せなかった小柄な人物もついて行く。
「待…て……」
うつ伏せに倒れるセルビアは床を這い、小柄な人物の脚を掴み放さない。