Blood Tear
脚を掴まれ怯える瞳で見下ろすその人物は、赤紫の髪 をした可愛らしい少女であった。
散った鮮血を頬に付けたまま、恐怖からか小刻みに震えている。
「止めろ……リオンを、傷つけるのは……君は、彼のたった1人の………グッ……!」
「折角命は奪わないでおいてあげたのに、残念だよ、セルビア」
少女に何か伝えようとしていたセルビア。
しかし彼女の身体に鋭い痛みが駆け抜ける。
様子を伺いに戻って来たライアが重い大剣を彼女の身体に突き刺していたのだ。
血を吐き少女の脚から手を放すセルビア。
悲痛に叫ぶ彼女を見下ろし笑うライアは全体重を剣へとかけ、彼女の身体を貫いていく。
身体を貫通し床に突き刺さり、身動きの取れなくなった彼女は遠退く意識の中、隠れたライアの素顔を目にし驚いたように何かを呟くとそのまま意識を手放した。
辺り一面に血が広がりセルビアの息が弱まる中、ライアは1人笑い続け、その不気味な声が街中に響いていた。