Blood Tear


久々に動く為身体が鈍っているのか身を捻るレオン。


コウガは扉の前へと目を向けるが、




 「我は行かぬぞ、面倒は御免だからな」


村をよく知る人物に同行を願いたいと思ったが、セルビアは勘が鋭く話を持ち出す前にすぐさま断られた。


リオンは何も言わないが、村を捨て逃げ出した彼は村人と会うのは極力避けたいところだろう。


残るイースはリオンと離れたくないと言いだすだろうし。



仕方なく、コウガはレオンを連れ2人だけで村の様子を見に行く事になった。




 「クレアは安静にしてていいから」


 「…ありがとう……」


部屋を出る前にそう言うとクレアは小さく礼を言う。


そんな彼女に微笑むと、彼女は微かに頬を赤らめた。




 「今度倍返しだからな」


 「何が倍返しだ……」


コウガの後ろで何か言うレオンだが、彼に対しては冷たい態度をとるクレア。


鋭く睨むとそっぽを向く。



そんな彼女を1人部屋に残し、コウガとレオンは家屋を出、リオンとイース、セルビアは他愛のない話に花を咲かせる。



セルビアの記憶がない事をリオンは知ったようだが、そんな事は関係ないと彼は変わらず彼女と接しているのであった。









 
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