Blood Tear
久しぶりと言う程長い間会っていない訳ではないが、久しぶりだと一応言葉を返す。
「身体、治ってないんじゃないか?」
「心配いりませんよ、何時もの事ですから」
吐血する彼を気にかけるが、当の本人はヘラヘラと笑い大丈夫だと言う。
見た感じは問題無さそうだが、無理しているのではとコウガは眉を潜めた。
「力を使うと何時もこうなんです」
人の心配ばかりして、呆れた人だと溜め息を吐くと口を開く。
「私は、力を使う度死へと近づく。命を削らなければ力を使えない、そんな馬鹿げた能力しか持っていないんですよ」
力を使うと命を削る。
先日の戦いで力を使った為、彼は怪我を負っていない筈なのに血を吐いた。
吐血するのは、死へと一歩近づいていると言う警告のようなもの。
役に立たない力だと、悲しそうに空を見上げ息を吐く。
「でも、だったら力を使わなければ……」
「確かに。ですが、そうもいかないんです」
命を削るのなら、その力を使わなければいい。
だが、そう簡単に解決できる話ではないようだ。