Blood Tear
「この件、秘密ですからね。まぁ知った所で心配する人など1人もいないと思いますが」
「あ、あぁ分かったよ。でも、シェイラも知らないのか?」
「お嬢様なら知っています。私がこの力で自暴自棄になっていた頃に出逢った方ですから」
彼の言葉に首を傾げるが、コウガの疑問に答える様子は無く、立ち上がると伸びをする。
すると、其処へ駆け寄ってきたレオン。
先に家屋から出たコウガを見失い、探していたのであった。
「お前、置いて行くなよ」
「ごめん、ごめん」
謝るコウガを軽く小突く彼は何かに気づき、物凄く嫌そうな顔をする。
「げっ、ジーク……」
「アハハ~、生きていましたか、しぶとい方ですね~」
憎たらしい言葉を吐くと、顔を歪める彼の頭を2・3度軽く叩く。
その手を弾きジークを睨むレオン。
見かねたコウガが2人の間に止めに入り、何とか大事にならずに済んだのだった。