Blood Tear


ジークにだけ聞こえるように言ったレグルは悪戯に微 笑むと彼から離れる。


確かに、シェイラをリョーガに任せるのは止めて欲しい。

彼奴は女好きで、シェイラと2人きりにさせたら何をしでかすかわからない。

そう考えると、レグルの行動は正しかったのかもしれないと、反発していたジークは黙り込んだ。




 「シェイラちゃん」


2人の様子に違和感を覚え首を傾げていると、背後からの声に振り返る。


其処には先程シェイラの傍に居た子供達を連れた女性の姿。


シェイラは女性に駆け寄ると、女性は子供達を見てくれたお礼だと、パンの入った袋を手渡す。




 「こんなに沢山、いいんですか?」


 「いいのいいの、子供達を見てくれて助かったわ。ありがとうね」


柔らかく微笑み礼を言うシェイラ。

短期間で打ち解けるとは、世渡り上手な彼女である。




 「あら、貴方達は……ちょっと待っててね」


女性はコウガ達の姿を発見すると一度姿を消し、再びやってきた時には両手に沢山の荷物を抱えていた。


手渡されたのは山積みの食糧。

採れたての野菜に新鮮な魚介類、クレアのご要望である肉もある。


袋の中の豪華な食材に感嘆の声をあげ、驚きの表情で女性を見つめるコウガ達。




 「リオン様と、貴方達に」


 「助かります、ありがとうございます」


微笑む女性に傍に寄って来た子供達の頭を撫で礼を言う。


すると女性は突然顔色を変え、恐る恐ると言った感じで彼等に問いかける。




 「あの…リオン様の様子は、どうですか?」


 「変わりないですよ。元気にしています」


 「そうですか……」


控え目に訊く女性。

リオンの事を気にしているようだ。










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