Blood Tear


 「あーあー、恐いよ?ティムリィ」


回転椅子に乗ったままリビングにやってきたのは白衣を着た男。

乱れた髪をかきながら大欠伸をする。




 「驚かせてしまったのならごめんなさい、マット」


 「フンッ、腹黒女……」


ニコニコ微笑む彼女を見てナギは呟くが彼女には聞こえていないようだ。



背もたれを抱きクルクル回るのはマット・ディレクト。


乱れた茶の髪に黒縁眼鏡、白衣を着た彼は化学者である。




 「後2人か……」


スティングの呟きに窓枠に腰掛けるカンナとナギが反応した。


庭を歩く女性を発見し彼女に手を振る。



彼女の名はエルウィン・アウロウ。

ショートの灰色の髪に黄色と赤のオッドアイ。

首には黒いチョーカーをし体中傷だらけの弓使いである。



リビングに辿り着いた彼女は片手を挙げ挨拶すると低い本棚の上に飛び乗った。










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