Blood Tear


星の煌めく夜空。

一際眩い光を放つ満月は雲一つ寄せ付けない。


湖は静寂に満ち、獲物を狙う動物達は静かな湖面を鋭く睨む。


深い森の中では虫達の合唱と梟の鳴き声が響いていた。




リオンの故郷、ナティス村から旅立ったコウガ達。


リオン、イース、セルビアの3人とは別れ、今は6人で旅をする。



故郷を出たリオンは2人と共に小さな町で身を隠す事にした。


力を失った自分達にはもう危険は及ばないだろうと、3人はコウガ達と別れたのだ。





ナティス村から少し離れた、綺麗な湖の広がるこの町に滞在する事になったコウガ達。


王族と言うのは凄いもので、易々と一軒家を借りてきたレグル。


今は6人揃ってこの家で過ごしている。




静まり返った真夜中、ベッドに寝転ぶコウガは窓越しに月を眺め、別室のシェイラは紅茶に映る月を見つめた。



レオンは屋根の上で月を見上げ、外で煙草を吸うレグルは煙を吐きながら月を瞳に映す。



それぞれが様々な心境で満月を眺める中、家から少し離れた公園のフェンスにクレアは腰掛けていた。










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