Blood Tear
「おはよ~御座いま~す!」
勢いよく扉を開け姿を現したのはジーク。
にこにこと微笑みながら元気よく挨拶をする。
まだ回復しているかもわからない怪我人の部屋に大声を上げ入って来るなんて、彼は何を考えているのだろう。
「おはよう、ジーク」
「……」
何事もなかったように自然にクレアの手を放し爽やかに微笑むと挨拶を返す。
一方クレアはすぐさま笑顔を消し、何も言わずに部屋を出て行った。
「あれ、お邪魔でしたか?」
「嫌、そんな事ないよ」
「そうですか~?」
伸びをするとベッドから降り、何か疑うような目つきの彼の横を通り過ぎリビングへと向かう。