Blood Tear


潮風を浴びながら1人海を眺めるコウガ。


防波堤に腰掛け陽の光に煌めく水面を静かに見つめていた。



不意に砂埃が舞い、顔の前に手をかざし目を瞑る。




 「やぁ、コウガ・シェイング」


砂埃が止み聞こえてきた声に振り返ると、建物の影に1人、木箱の上に腰掛け林檎をかじりながら此方を見つめる人物の姿が。




 「君は……」


 「自己紹介がまだだったね。僕はライア。この腐った世界を変える人物さ」


ライアと名乗る彼は木箱から飛び降り林檎を投げる。


それを難なく片手でキャッチすると間を空けずに投げ返す。


返ってくるとは思わなかったライアは顔面に飛んでくるそれを掴めない。


そのまま顔面に当たると思ったが、ライアの前に何者かが立ちはだかりそれを阻止した。










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