Blood Tear


 「クククッ……フフッ…フハハハハハ…アーハッハッハッ……」


聞こえてきた場違いな笑い声に振り返ると、腹を抱え笑うライアの姿が目に入る。




 「あーごめん、もう、面白くってさ。ククッ……」


何が面白い…

何が可笑しい…



コウガは苛立ちを覚えライアを睨む。


すると彼は笑いを止め、防波堤の上を歩きながら口を開く。




 「本当だよ、彼の言っている事は」


更に否定され、何が真実で何が嘘なのか分からなくなる。



混乱するコウガの様子に笑みを浮かべながら、ライアは更に言葉を続けた。




 「彼の言っている事は真実。彼は嘘を吐いてはいない。だって、彼女を殺したのは、あの女を殺したのは、僕だから」


一瞬耳を疑った。


しかし、今耳にした言葉は嘘ではないと、壊れたように笑う彼がそう言っていた。










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