Blood Tear


 「これが真実。あの日君が見たのは、君から彼女を奪ったのは、この僕。僕が彼女を殺したんだ」


ライアが、大笑いする彼が、アリアを殺した張本人…?


だが、あの日見た人物と彼は似ても似つかない。


何がどう違うのかと言われれば回答に困るが、ライアよりもスティングと言う男の方が、記憶の中の人物と一致する。




未だ笑い続ける彼の言う事が事実だと言うのなら、真実だと言うのなら、俺は…



力強く地を蹴った。

ほんの数歩でライアの元まで辿り着く。


そして力強く握った剣を何の迷いもなく振り下ろした。




 「っ…糞っ……!」


鋼同士がぶつかる音。

弾かれた刃。



大剣を手にするスティングが、ライアを護るように立ちふさがる。




 「邪魔をするのなら、お前も殺す!」


スティングが居る以上、ライアに手を出す事は不可能。


だったら先に彼の相手をするまで。










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