Blood Tear
新緑の木々が生い茂る森の中を小鳥達の囀りに耳を傾けながら歩くレオン。
暖かな木漏れ日を浴び暢気に伸びをするが、彼の耳は何かをとらえ反応する。
地を蹴り飛躍すると近くの木の陰に身を隠す。
ヒュッと音を立て、何処からか放たれた矢が彼の後を追うように地に突き刺さった。
敵の位置を探る為そっと顔を出し様子を伺うが、その瞬間一本の矢が木の幹に突き刺さり更に続けて飛んできた矢が彼の頬を掠め地に落ちる。
「っ……」
再び身を隠した彼は頬を伝う血を拭うと息を吐く。
だが、その間にも敵は弓を引き続け、身を隠す彼を狙って矢は放たれる。
飛んできた矢を交わす為、地を転がり高く飛躍、降りしきる矢を俊敏な動きで回避する。
只ひたすら逃げているという訳ではなく、彼は敵の居場所を探りながら森の中を駆けていた。