Blood Tear


ジークに向かって薙刀を振り下ろすカンナ。


しかしその厚い刃は彼には当たらず、地に突き刺さり深く地をえぐる。




 「残念ながら、貴女達の相手をしている暇はないんです」


たった一歩足を動かしただけで攻撃を交わした彼は刃を地から引き抜く前に柄を掴むと、その柄で彼女の鳩尾を付き怯んだ所で突き飛ばす。




 「カナ姉!」


 「…大丈夫……平気だよ……」


突き飛ばされたカンナを受け止めるナギ。


カンナは心配いらないと微笑み、2人は薙刀を構えるとジークを睨んだ。




 「手加減する気はありません。本気でいきますよ」


ジークは鞘から刀を抜き、両手で柄を握ると片足を退く。


鋭い紺の瞳で2人の姿をとらえると、静かに息を吐き力強く地を蹴った。










< 345 / 489 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop