Blood Tear
痛覚を失っているシェイラはふと困ったように顔をしかめた。
現段階で何処に傷を負い、その傷がどれ程の深さなのかもわからない。
今はそれ程酷い傷を負ってはいないだろうが、どうやってこの状況から抜け出せばいいのだろう。
頼りになるのは弦に触れた触覚と生暖かい血液のみ。
冷静に考えれば、無闇に動くのは避けた方がいいのだろう。
「その綺麗な顔を、もっと歪ませて下さいよ。痛みに悲鳴をあげて泣き叫んで下さいよ。ねぇ、シェノーラ様」
「…何故、その名を……?」
ティースプーンで弦を弾きながら楽しそうに言う彼女の言葉に反応を見せたシェイラ。
恐る恐ると言った感じで彼女に問いかけた。