Blood Tear


 「…ティム……本当にティムなのですね……」


 「えぇ、本当ですよシェノーラ様。私は、貴女が以前妹のように可愛がってくれたティムリィです。お会いできて嬉しいですか?喜んで頂けますか?シェノーラ様」


幼い頃から親しく、仲の良かったシェイラとティムリィ。



死んだと聞かされていた彼女との久々の再開に現状を忘れ、シェイラはその瞳に涙を浮かべて喜ぶが、一方のティムリィは彼女を冷たく見下ろした。




 「…私は嬉しくも何ともありませんけど」


 「え……?」


彼女の呟いた言葉に耳を疑う。


しかし、それは聞き間違いなどではないようだ。




 「だって私は、貴女の事が大っ嫌いなのですから」


ティムリィは何の感情もこもらぬ声でそう言うと、シェイラの顔に勢い良く紅茶をかけた。










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