Blood Tear


 「っと……」


それを身を翻し交わしたレグルはアリューの後ろに回り込み、彼女の後頭部に銃口を向け引き金を引いた。


銃声が鳴り響くが、それは建物の屋上にある看板にめり込む。


銃口を向けられたアリューは振り向きもせず、左手を後ろに回し銃を掴むと軌道をそらしたのだ。


そして彼女は銃を掴んだまま彼を力の限り投げ飛ばす。


驚いていたレグルは抵抗出来ず、壁に背をぶつけ苦痛に顔を歪める。




考える隙さえ与えず、彼の前に立つアリューは刃を引き突き出す。


瞬時に反応したレグルは彼女の腹を蹴りそれを回避。


尻餅をつく彼女へ銃を放つが、彼女はその体勢から片足を振り上げ銃を蹴り上げた。




 「くっ……」


銃は宙に舞いレグルは顔を歪めるともう片方の銃の引き金を引く。



しかしそれすらも交わされレグルは地に転がった銃を掴みながら彼女との距離を取った。










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