Blood Tear


耳障りな悲鳴を上げ、涙を流しながら助けを請う彼女に今度は牛刀を落とすフリード。


高らかに笑う彼は次に中華包丁を手に取り、それを彼女の首目掛け投げ捨てた。




 「イヤーー!!」


絶望の色に顔を染め、目一杯の叫び声をあげる彼女だが、中華包丁は彼女には当たらず壁に突き刺さる。


中華包丁を防いだのは鎌を手にするクレア。


彼女は鎌を振り上げそれを弾くと、流れるようにフリードに斬りかかった。




 「っ……」


しかし、彼女は彼の体に添えた鎌を引けずにいた。


何故ならば、喉元には短剣の刃が添えられ、更に気絶しているウェイトレスにも宙に浮く短剣が突きつけられていたからだ。




 「今日こそ殺してやるよ、赤目の死神」


耳元で囁くフリードは嫌味に笑い、右手を振ると宙に浮く短剣をウェイトレスに突き刺した。











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