Blood Tear


地につけた手は泥を掴み力強く握られ、激痛に耐えるクレアは肩で大きく息をする。


ポタリと落ちるのは汗では無く、何処からか溢れ流れた真っ赤な鮮血。


尋常ではない量の血が流れ、乾いた地面はそれを吸い込み色を変える。



その光景を見下ろしていたフリードは屋根から飛び降り苦痛に耐えるクレアに歩み寄った。




 「痛いか?苦しいか?」


目の前に屈み、彼女の髪を掴むと顔を上げさせる。


苦痛に歪めるその顔が露わになり、フリードは目を細め口の端を吊り上げた。




 「命乞いでもしてみるか?助けてくれって、泣き叫んでみろよ」


何時も強気な彼女が涙を流し、助けを請うその姿が見てみたくて、フリードは短剣を彼女の頬に添え悪戯に笑う。




しかし、クレアは命乞いするどころか憎らしげに彼を睨み、嫌味なその顔に唾を吐いた。




 「…誰が泣き叫ぶか……このゲスが……」


未だ強気に振る舞い汚い言葉を吐く彼女だが、その態度がフリードの怒りを買う事となった。










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