Blood Tear
クレアの心臓目掛け一直線に飛んで行くが、それは意図もたやすく弾かれた。
全ての短剣を叩き落としたクレアは地を蹴りフリードとの距離を縮めると、彼の1メートル程手前の地についた左足を力強く踏みしめ鎌を振り下ろす。
その攻撃を手にした短剣でいなすフリードは後ろに後退。
追って来ないよう数本の短剣を操りクレアを襲わせる。
「お前は人殺しなんだよ…お前のその手は、その身体は、拭えきれない程の血で汚れている……そんなお前が綺麗事なんかたたくんじゃねぇ!」
地に転がっていた短剣全てが宙に浮き、切っ先はクレアに向けられる。
合図があれば直ぐにでも斬りかかれるよう待機していた。
「血塗れたお前は幾ら光に焦がれようと闇から這い出る事など不可能……その鎌を振るい人を殺し続ける事でしか居場所を見いだせない……狂気なお前は、闇に生きるお前は、俺を殺して死ぬしか術が無いんだよ!」
彼が言葉を発し終えた瞬間、待機していた短剣は弾かれたように宙を舞う。
声を荒げる彼の心を表すように乱暴に、短剣は空中を暴れまわった。