Blood Tear


鬱蒼と生い茂る針葉樹林。


露を帯びた葉先から零れ落ちる雫。


うねった山道はぬかるみ足を滑らせそうになる。




足場の悪い山道を歩く3人。


男性2人は何かを話ながら足を進め、少し離れて付いて来る女性は棒着きキャンディをくわえていた。



時折転びそうになりながらも歩を進めていると、突然不思議な風が一吹き。



ザワザワと木々は揺れ、空を見上げると小鳥達が何かから逃げるように飛び立った。



今まで風など吹いていなかった筈。

疑問に思っていると、




 『あっち行けー!』


何かに襲われているのか、木霊する幼い少女の声。


そして悲鳴に似た声が続く。



その声にコウガは足を止め、レオンは小鳥達が飛び立つ空を見上げる。


銀髪を揺らすクレアはキャンディを噛み砕き目を細めた 。










< 47 / 489 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop