Blood Tear
鬱蒼と生い茂る針葉樹林。
露を帯びた葉先から零れ落ちる雫。
うねった山道はぬかるみ足を滑らせそうになる。
足場の悪い山道を歩く3人。
男性2人は何かを話ながら足を進め、少し離れて付いて来る女性は棒着きキャンディをくわえていた。
時折転びそうになりながらも歩を進めていると、突然不思議な風が一吹き。
ザワザワと木々は揺れ、空を見上げると小鳥達が何かから逃げるように飛び立った。
今まで風など吹いていなかった筈。
疑問に思っていると、
『あっち行けー!』
何かに襲われているのか、木霊する幼い少女の声。
そして悲鳴に似た声が続く。
その声にコウガは足を止め、レオンは小鳥達が飛び立つ空を見上げる。
銀髪を揺らすクレアはキャンディを噛み砕き目を細めた 。