Blood Tear
5人の力により、無事馬車は溝から抜け出した。
レオンは疲れたと地に座り込み、イースはリオンに駆け寄った。
木に背を預けるクレアは考えるように地を見つめる。
「本当に助かりました。何と礼を言ったらいいか…… 」
コウガの手を握るシェノーラは彼に礼を言い馬車に駆 け寄った。
「申し訳ありません。今は時間が無くて……この礼は 次回お会いした時に」
馬車に乗り窓から顔を出して言うと頭を下げ、馬車を走らせ行ってしまった。
「また次回って、もぉ会わねぇだろ」
座り込んでいたレオンは欠伸をしながら立ち上がる。
大きく伸びをしていると…
「ハァ、何とか間に合いそうですね」
「それは良かった」
背後からの安心した声に反射的に答えるが…
「……って、え!?」
少し考えた後素っ頓狂な声をあげた。
と言うのも、馬車に乗った筈のジークが此処にいるからである。
「何で此処にいるんだよ!?」
「いや~、置いて行かれたみたいですね」
「置いて行かれたって……」
指を差し言うレオンに対しニコニコと他人事の様に言 うジーク。
そんな彼に呆れ頭を掻く。