Blood Tear


「まぁ、御礼もしなければなりませんし、お嬢様の元までの案内人と言う事で、ね、コウガさん」


 「え?…と言う事は、これから一緒っていう事?」


突然話を振られ、驚きながらも直ぐに反応。

ぎこちない笑みを浮かべ問う。




 「そうですけど、もしかして嫌ですか?」


 「否、そういう訳じゃなくて……」


レオンは断れと表情で訴え、イースは話を振るなとそっぽを向く。


リオンは気の毒にと眉を寄せ、ぼーっとするクレアは話 すら聞いていない。


助けを求め目を泳がせるが、ピンチの救世主は誰一人として居なかった。




 「…ジークが一緒なら、助かるよ」


引きつった笑顔でそう言うと、ジークはニッコリと微 笑んだ。




 「それでは、宜しくお願いしますね、皆さん」


静かな森の中、彼の元気な声だけが響くのだった。











< 71 / 489 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop