Blood Tear
「まぁ、御礼もしなければなりませんし、お嬢様の元までの案内人と言う事で、ね、コウガさん」
「え?…と言う事は、これから一緒っていう事?」
突然話を振られ、驚きながらも直ぐに反応。
ぎこちない笑みを浮かべ問う。
「そうですけど、もしかして嫌ですか?」
「否、そういう訳じゃなくて……」
レオンは断れと表情で訴え、イースは話を振るなとそっぽを向く。
リオンは気の毒にと眉を寄せ、ぼーっとするクレアは話 すら聞いていない。
助けを求め目を泳がせるが、ピンチの救世主は誰一人として居なかった。
「…ジークが一緒なら、助かるよ」
引きつった笑顔でそう言うと、ジークはニッコリと微 笑んだ。
「それでは、宜しくお願いしますね、皆さん」
静かな森の中、彼の元気な声だけが響くのだった。