Blood Tear
家の中はシンプルな造り。
広い空間の真ん中に机が1つ。
壁際にあるのは分厚い本がびっしりと並ぶ本棚。
二階もあり、そこにもずらりと本が並ぶ。
部屋の中に人影はなく、静かな場所である。
部屋の中を呆然と眺めていると…
「遅かったではないか、我が同胞よ」
人の気配のなかった二階から聞こえてきた女性の声。
6人全員がその声に反応し、そちらへと目を向ける。
そこには左目を前髪で隠した赤髪の少女が1人、ちょこんと柵に腰掛ける。
「…セルビア……」
「久しいな、神の子リオン。待ちくたびれておったぞ」
リオンが少女の名を呼ぶと、彼女は見た目に相応しくない大人びた口調で話す。
「セルビア……神殺しの……」
「神殺しとは、嫌な名を付けてくれる」
少女の名に反応したジーク。
顎に手を添え呟くと、少女はその言葉を耳にジークを見下ろす。
そして彼女はフッと笑うと柵から飛び降りた。