Blood Tear


小鳥達の元気なさえずりが聞こえ、清らかな風がカーテンを揺らし部屋へとやってきた。




 「はぁ……」


ベッドに寝転ぶコウガは伸びをしながら起き上がると大きく深呼吸。


窓辺へと目を向けると、羽を休めていた小鳥達が羽ば たいて行くのが見えた。



窓から覗く青空を見つめた後、隣で寝ていた筈のレオンの姿がない事に気づく。



珍しく早起きをしたのかと思い部屋を出ると、隣の部屋から聞き慣れた声が聞こえてきた。



聞き慣れた声のするその部屋は、リオン、イース、クレアの3人が泊まる部屋である。




ノックをして部屋に入ると、ベッドに腰掛けるイース 、その隣で椅子に座るクレア、壁に背を預け腕を組むレオンの姿があった。




 「おはようございます、コウガさん」


 「よっ!」


 「……」


コウガの姿を目にするとイースは元気に声をあげ、レオンは片手を挙げて挨拶する。


クレアは何時もと変わらず数秒目を合わせただけで声をあげる事はない。



そんな3人に微笑みながら挨拶すると、イースが頭を下げた。




 「昨日はご迷惑をおかけしました。お陰様でこの通り元気になりました!」


 「回復して良かった。無理はしないようにな」


 「はい!」


元通りの元気を取り戻したイース。

眉を寄せながら謝る彼女だったが、優しい面持ちのコウガの笑顔に安心したのかにこやかに微笑んだ。



そんな彼女に小さく切った林檎を差し出すのは、表情 1つ変える事のないクレア。


イースはありがとうと一言礼を言い手に取ると、何故かレオンがクスリと笑った。




 「お前も女らしい所あるんだな。ハハハッ……んん! ?」


病人に対するクレアの行動にそんな事を言いだしたレオン。

何が可笑しいのか笑っていたレオンだったが、彼は突然苦しそうな声をあげた。










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