Blood Tear


 「…ずっと心配してた……リオンの護衛として失格なんじゃないかって……」


ぼそりと言ったのは自分で剥いた林檎を頬張るクレア。



此方に顔を向けたコウガに林檎を勧めると、彼は礼を言い1つ手に取る。




病気で倒れ、傍にいれなかった自分の不甲斐なさ。


セルビアと言う異様な力を持つ人物が現れた以上、無力な自分は不要となるのでは…




そんな様々な想いが彼女に不安を与えていたのである。




 「…でも、そんな心配しなくて良かったみたい……」


 「2人は互いに互いの事を大切に想ってる。2人の絆はそんな簡単に消えたりしないよ」


涙を流すイースとそんな彼女を優しく見守るリオン。



少し離れた所からコウガとクレアは2人を静かに見つ めるのだった。










< 96 / 489 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop