Blood Tear
「…ずっと心配してた……リオンの護衛として失格なんじゃないかって……」
ぼそりと言ったのは自分で剥いた林檎を頬張るクレア。
此方に顔を向けたコウガに林檎を勧めると、彼は礼を言い1つ手に取る。
病気で倒れ、傍にいれなかった自分の不甲斐なさ。
セルビアと言う異様な力を持つ人物が現れた以上、無力な自分は不要となるのでは…
そんな様々な想いが彼女に不安を与えていたのである。
「…でも、そんな心配しなくて良かったみたい……」
「2人は互いに互いの事を大切に想ってる。2人の絆はそんな簡単に消えたりしないよ」
涙を流すイースとそんな彼女を優しく見守るリオン。
少し離れた所からコウガとクレアは2人を静かに見つ めるのだった。