キミに出会えた確率
そんな中「ここ、どうぞっ」という穏やかな声が聞こえた。





へぇ~。


イマドキ珍しいヤツも居たもんだ。




声の主を見てみると、俺が名前を聞こうとしたあの女だった。





あいつかよっ。





席をわざわざ譲って何の得になるんだか?






ほんと、わけ分かんねぇ女。








席を譲って貰った老人は、とても嬉しそうな顔で「ありがとう」と言った。





それを聞いて幸せそうな笑顔をしてる。





その笑顔を見てるとこっちまで笑顔になる。







「おいっ」


と俺は声を掛ける。




『はい?』



ちょっと驚いたような顔をして振り返った女。
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