キミに出会えた確率
「心?心っ。何で寝てんだよ。さっさと起きろよ」







『結城さん・・・、』





医者が声を掛ける。




『残念ですが・・・』




そう、事務的に。




何でだよ―――――――――



心が死んだ?



そんなわけねぇじゃんか・・・



もう、俺の隣で笑ってくれねぇの?



ケイタイに鳴り響く仕事の電話も、耳に届かなかった。





「心っ。返事しろよ!!聞こえてるんだろ?!なあ心!!」





『結城さん、落ち着いてください!!結城さん―――』





人を失うということを・・・




初めて知った。




本気で好きだったよ、心。



昔も今も、変わらずずっと・・・。
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