キミに出会えた確率
仕事に行くためにマネージャーと待ち合わせしている場所まで、

俺は学校から急いで向かっていた。





学校が終わった後は即、仕事。




でも今はそれを苦には思っていない。




遅れるといけないので俺は走っていた。



丁度、ある河原付近を通り過ぎようとした時だった。




『ヒック・・・ヒック・・・』




すれ違い様に女の子の泣き声が聞こえてきた。




急いでたし、そのまま通り過ぎようとした俺に、ある言葉が蘇った。





“みんなに笑顔を届けること”





あぁ・・・。




そうだった。




俺が唯一、心の為にできること。



人に笑顔を届けるのは、何も、メディアだけではない。





止まっていた足を、今通り過ぎた方向へと向きなおした。




さっきの女の子はまだ近くに居て、下を俯きながら帰っていた。




中学生・・・か?


制服からして女の子は中学生のようだった。



中学生なら・・・俺のこと知ってるかな?
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