キミに出会えた確率
『香恋っ？どしたの？』
固まったままだったあたしの隣に
いつのまにか柚が来ていた。
正直言ったらまだ現状が読み込めない。
昨日まで遥は普通にあたしと接してくれていたはず･･･
だから今朝はちょっと機嫌が悪かっただけなのかも。
あたしは無理やりそう思うことにした。
『香恋っ？聞こえてるっ?!』
柚の声でハッと我に返った。
「あ･･･、ううん。なんでもないよ」
そう言って微笑んだ。
『･･･ならいいけど･･･』
そこでタイミングよく先生が教室に入ってきた。
「じゃあ柚、またあとでねっ」
柚はちょっと不思議そうな顔をしていたけど
あたしが笑顔でそういうと安心したように
自分の席に戻っていった。
