キミに出会えた確率
あたしの心情を読み取ってか、章輔は、


『香恋、鈍すぎっ』




そう一言放って、トントンと自分の制服をつついた。




驚きすぎて視界に入ってなかったけど・・・





落ち着いてよく見ると、章輔が着ている制服は間違いなくあたしの高校と同じものだった。




章輔にまた会えて、



しかもあたしの事を覚えていてくれただけでビックリしたのに・・・。



同じ高校だったなんで・・・




心臓壊す気ですかっ?!



今日はハプニングの連続だ。




確かに章輔は高2だけど・・・




まさかK高だなんて知らなかった。



あんなに章輔について調べたけど・・・



高校に関する情報なんて載ってなかったんだよね。




あたしはあまりの急展開に頭がついていけず、黙り込んだ。


うーん・・・・・。



『香恋、さっきからずっとうろたえてたでしょ?笑』



章輔はおかしそうに腹を抱えて笑っていた。




「なっ///見てたのっ?!」



ぱっと赤くなる顔を隠すように俯いた。






『どーだろうな・・・って・・・香恋、入学式だろ?!』





章輔が突然驚いた声を出した。




「えっ?!・・・やばっ」



やっとあたしは本来の目的を思い出した。



「・・・って章輔も学校じゃないですか!!」



『やべぇーーーー!!』




「『遅刻だぁぁぁぁ』」




青空の下、綺麗に二人の声がこだました。



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