キミに出会えた確率
『まぁ・・・今知っててくれてるんだからいいじゃん』





そう言って暖かくて大きな手であたしの頭をポンポンとしてくれた。







この手・・・すごく落ち着く。






『ね、香恋。俺が芸能人って知ったとき・・・』




章輔は途中で言葉を止めた。





横を見上げると、すごく寂しそうな顔をしていた。




「え?」




『ごめん。やっぱ何でもねぇ』






もしかして・・・





章輔は・・・あたしが“章輔が芸能人だからこうやって話してる”って思ってるの?




「そんなことない」




あたしはボソッと呟いた。




章輔には聞こえていないようだった。





あたしは章輔が芸能人だからとか抜きにして、章輔と話していたいって思うんだよ?



一緒に居たいし・・・章輔の笑顔を見ていたい。
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