キミに出会えた確率
あたし、失恋して泣いて帰ってたんだよね。


堤防沿いの道を一人で。



片思いだったけど・・・やっぱり失恋というものはショックだった。



勇気を出して想いを伝えたのに、叶わなかったときの悲しみ。
 


あたしはその時初めて知った。




「グスッ・・・グスッ・・・」



涙で前がかすむ。




外だなんてこと、頭に無かったなぁ。



ただ、涙を抑えきれなかったの。




そんなときだった・・・―――――――――




―――――ポンポン



暖かい温度が頭から伝わった。



その正体が人の手であることに気づくまでに時間がかかった。




えっ?!何?!



びっくりして振り返ると、





綺麗な顔立ちの男の人が後ろに居た。

 




『何か嫌なことでもあった?』




穏やかな声。



優しく微笑みかけている。







「あのっ・・・」




誰だろう・・・?


突然のことで頭がついていかない。



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