キミに出会えた確率
『俺なんかが役にたったんなら良かった。
香恋ちゃん、笑顔のが似合ってるよ!!』


そう言うと章輔はにっこり笑った。


トクン・・・トクン・・・


鼓動が早くなる。


かっこ・・・良すぎでしょ///



「あのっ!!いつか・・・また会えますか?!」




口に出した後にハッと我に返った。


あたしったら・・・何言ってるんだろ。




初対面でたまたま道で会った人にこんなこと聞かれても困るだけじゃん・・・。


あたしは俯いた。




『香恋ちゃん。顔、上げて?』




章輔は真剣な声で言った。




『絶対また会えるよ。どこかでね』




そう言って章輔は片手を上げて帰っていった。





彼の、確信に満ちた顔。


今でも鮮明に覚えてるよ。





それが彼にあった最初で最後の日。



何度か章輔に出会った道にも行ったのだが、会えることは無かった。




でも・・・章輔が言ったように、いつかまた出会えることを信じてる。






その数日後だった。





章輔がアイドルだってことを知ったのは・・・

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