風に恋して:番外編
縁談はすぐにまとまった。そして、国民へのお披露目を数日後に控えたその日、マリナはオビディオの部屋の扉を叩く。
「マリナ、おいで」
扉を開けてくれたオビディオが微笑んでマリナを迎え入れる。
とても広い部屋。その奥、窓際にあるベッドへと手を引かれていく。
「オビディオ様、私――っ」
ベッドに座ったとき、言いかけたマリナの唇にオビディオが人差し指をそっと押し付ける。
「それ以上言ってはいけない。いいな?」
つらくなるだけだ、と。その漆黒の瞳が言っている。
「ごめんな。お前の気持ちさえも守ってやれなくて……」
オビディオは額にキスをして、マリナの身体をベッドに沈めた。そっとマリナの髪を梳き、頬を撫でてくれる彼の瞳は、確かにマリナを見ていた。それが、オビディオの優しさ。
ヒメナの代わりとしてではなく、マリナ自身を見てくれている。
「つらいなら、目を閉じて……好きな男のことを考えていればいい。だけど、1つだけわかってほしい」
オビディオの顔が近づいて、吐息がかかる。
「俺は、ちゃんとお前を見ているから。お前のことを想って、お前に触れるから……」
その言葉の後すぐに唇が塞がれて、そのままマリナはオビディオにすべてを委ねた。オビディオは言葉通り、“マリナ”を抱いてくれた。
優しく触れて、名前を呼んで、伴侶としての証をくれた。
「マリナ、おいで」
扉を開けてくれたオビディオが微笑んでマリナを迎え入れる。
とても広い部屋。その奥、窓際にあるベッドへと手を引かれていく。
「オビディオ様、私――っ」
ベッドに座ったとき、言いかけたマリナの唇にオビディオが人差し指をそっと押し付ける。
「それ以上言ってはいけない。いいな?」
つらくなるだけだ、と。その漆黒の瞳が言っている。
「ごめんな。お前の気持ちさえも守ってやれなくて……」
オビディオは額にキスをして、マリナの身体をベッドに沈めた。そっとマリナの髪を梳き、頬を撫でてくれる彼の瞳は、確かにマリナを見ていた。それが、オビディオの優しさ。
ヒメナの代わりとしてではなく、マリナ自身を見てくれている。
「つらいなら、目を閉じて……好きな男のことを考えていればいい。だけど、1つだけわかってほしい」
オビディオの顔が近づいて、吐息がかかる。
「俺は、ちゃんとお前を見ているから。お前のことを想って、お前に触れるから……」
その言葉の後すぐに唇が塞がれて、そのままマリナはオビディオにすべてを委ねた。オビディオは言葉通り、“マリナ”を抱いてくれた。
優しく触れて、名前を呼んで、伴侶としての証をくれた。