風に恋して:番外編
「2人を想う気持ちは、俺にもわかるから」
「うん……マリナ様、みんなが持っていた愛はちゃんと私たちに届いています」

リアは愛おしそうにお腹を撫でて微笑んだ。とても眩しい笑顔。

「エンツォも、少し誤解があっただけで……とても優しい人だった。エンツォの中の真実を変えてしまった私の選択は間違っていたのかもしれないけれど、レオは信じると言ってくれた」

そしてリアはマリナにギュッと抱きついてきた。

「私もマリナ様の選択を信じます。マリナ様は大切な人たち――ヒメナ様とオビディオ様――に幸せな夢を与えたのだもの」

その温かさに、マリナは目を閉じてリアの背中に手を回した。
リアはこうしてエンツォを救ってくれたのだろう。マリナのことも、優しく包み込んでくれる。きっと、ヒメナやオビディオも……彼女の優しさに癒される。

レオとリアはマリナの過ちを正してくれた。すべてを知って、それでもマリナを抱きしめてくれるリアの温かさに涙が溢れた。

「ありがとう」

そう、呟くと風が笑った――


I cannot ask you for forgiving, but please, I want you to know that I love you so much… *END*

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