風に恋して:番外編
「レオっ、私――」
荒い呼吸と、ひどい頭痛のせいで顔を歪めたリアがレオの袖口を弱々しく掴む。
リアが赤い瞳を使って倒れた後、レオは彼女を抱きかかえて部屋のベッドに寝かせた。それから嘔吐を繰り返し、やっと落ち着いてきたところだ。
「ダメ、なのに……どうして、私……」
リアは少し混乱しているようだった。意識が戻ってからずっと「私の力は使ってはダメ」と、そればかりを口にしていたから。
「リア、もう大丈夫だから。お前は悪くない。ほら……水飲んで、眠れ」
高熱のせいで汗をかいているリアに水分を摂らせ、横たえようとする。けれど……
「レオ、ダメなの。レオ……っ、レオ!」
リアはレオにしがみついて泣き始めた。レオはそっとリアの背中を叩いてあやすようにする。
「わかっている。大丈夫だから、な?もう泣かなくていい」
「ぅっ……っく、レオ……っ」
それでも泣き続けるリアに、レオはその涙が零れ落ち始める目尻から涙の道筋を唇で辿った。小さい頃から、何度も何度も……リアにかけてきたおまじない。
チュッと、頬にひとつキスを落として顔を離すとリアは泣き止んでいて。けれど、涙を瞳にいっぱい溜めて、熱のせいで染まる頬と少し開いた唇から零れる熱い吐息に。
「レオ……」
そして、レオの名前を呼ぶリアに――
荒い呼吸と、ひどい頭痛のせいで顔を歪めたリアがレオの袖口を弱々しく掴む。
リアが赤い瞳を使って倒れた後、レオは彼女を抱きかかえて部屋のベッドに寝かせた。それから嘔吐を繰り返し、やっと落ち着いてきたところだ。
「ダメ、なのに……どうして、私……」
リアは少し混乱しているようだった。意識が戻ってからずっと「私の力は使ってはダメ」と、そればかりを口にしていたから。
「リア、もう大丈夫だから。お前は悪くない。ほら……水飲んで、眠れ」
高熱のせいで汗をかいているリアに水分を摂らせ、横たえようとする。けれど……
「レオ、ダメなの。レオ……っ、レオ!」
リアはレオにしがみついて泣き始めた。レオはそっとリアの背中を叩いてあやすようにする。
「わかっている。大丈夫だから、な?もう泣かなくていい」
「ぅっ……っく、レオ……っ」
それでも泣き続けるリアに、レオはその涙が零れ落ち始める目尻から涙の道筋を唇で辿った。小さい頃から、何度も何度も……リアにかけてきたおまじない。
チュッと、頬にひとつキスを落として顔を離すとリアは泣き止んでいて。けれど、涙を瞳にいっぱい溜めて、熱のせいで染まる頬と少し開いた唇から零れる熱い吐息に。
「レオ……」
そして、レオの名前を呼ぶリアに――