風に恋して:番外編
「そっか。でも、セストもたぶん帰りは遅くなるんじゃないかな。レオ様の公務についていったみたいだから」
クラドールの仕事はセストがまとめている。レオの側近を務めており、緊急時以外はほとんどクラドールとしての診察はしないが、書類上の仕事や報告を聞くのは彼の役目だ。
イヴァンやディノは診察から薬の調合、養成学校の講師までいろいろなクラドールとしての仕事、実務をこなしている。
リアはルカが生まれてからはクラドールとしての仕事からは離れてしまっているのだけれど、本人は落ち着いたら復帰するつもりのようだった。
「い、いえ、あの!お、お時間があるのなら、イヴァンさん……に、聞いていただければ……」
ほんのりと頬を染めながら言うエレナ。イヴァンは少し視線を伏せた。
そう、彼女が頻繁にヴィエント城を訪れるのは……イヴァンに会いにくるためのようなのだ。
イヴァンはここのクラドールの中で1番年上、今年32になる。ハッキリと「好き」だと言われたことはないけれど、彼女より一回りも長い人生を生きてきたのだ。こんな態度をとられると、まぁ、わかってしまうわけで。
「……わかった。じゃあ、研究室に行こう」
「はい!」
エレナはパッと笑顔になって、イヴァンの後をついてきた。
クラドールの仕事はセストがまとめている。レオの側近を務めており、緊急時以外はほとんどクラドールとしての診察はしないが、書類上の仕事や報告を聞くのは彼の役目だ。
イヴァンやディノは診察から薬の調合、養成学校の講師までいろいろなクラドールとしての仕事、実務をこなしている。
リアはルカが生まれてからはクラドールとしての仕事からは離れてしまっているのだけれど、本人は落ち着いたら復帰するつもりのようだった。
「い、いえ、あの!お、お時間があるのなら、イヴァンさん……に、聞いていただければ……」
ほんのりと頬を染めながら言うエレナ。イヴァンは少し視線を伏せた。
そう、彼女が頻繁にヴィエント城を訪れるのは……イヴァンに会いにくるためのようなのだ。
イヴァンはここのクラドールの中で1番年上、今年32になる。ハッキリと「好き」だと言われたことはないけれど、彼女より一回りも長い人生を生きてきたのだ。こんな態度をとられると、まぁ、わかってしまうわけで。
「……わかった。じゃあ、研究室に行こう」
「はい!」
エレナはパッと笑顔になって、イヴァンの後をついてきた。