【完】まりあ ~人魚姫の涙~
切ない顔をした敦さんに目を奪われてしまったが、すぐに私は呼ばれた方へと向かった。
多分、敦さんは私の方を今もずっと見ている。
強い視線を感じるから…。
どうしてこの人は、私の事をこれほどまでに好きなのだろうか?
いつも思うけれど、不思議でたまらない。
だってこの人も裕也さんと同じで、とても人気のある俳優さんだから。
そんな人が私の事を好きだと言ってくれても、ピンとこないんだもん。