【完】まりあ ~人魚姫の涙~
「あぁぁぁの…」
「なぁ…」
「…はい?」
私の顎を掴んだ裕也さんは、私の顔を上へと持ち上げる。
裕也さんの、オキニスの瞳と目が合った---
裕也さんの目が細まり探るように私を見てくるから、戸惑ってしまった私の目が泳いでしまう。
いつもは王子様のように太陽を思わせる、暖かく優しい微笑みで人々を魅了する裕也さん---
でも、今ここにいる裕也さんは違う。
太陽とは正反対の、闇を思わせる表情の裕也さんに驚いた。
本当に、あの裕也さんなの?