君に Ⅰ 〜あなたに会えて〜
ぴくり。
私の手が止まる。
「真琴はそれを誰にあげるの?」
「しょうのお家の人。」
「ふふふ。じゃぁ、大変ね。何人いるか聞いてみたら?」
「う、うん。」
「大丈夫よー。時間はたくさんあるから。折り紙も買ってくるわ。」
「うん・・・。」
「お母さんも手伝いたいけど、やり方分からないの。だから、一人で頑張ってね。」
この話は私に頑張ってもらうための作戦だったのか。
そういう風な気がしてならないのは、この年になってからだ。