君に Ⅰ 〜あなたに会えて〜
小学校からの友達はこの学校にはぜんぜんいなかったけれども、クラスの皆は俺に優しく、毎日楽しく過ごしていた。
行事も全部楽しかったし、今までで一番楽しかった出来事もたくさんあった。
でも、やっぱり心に引っかかるあのこのこと。
生徒手帳にはさんだあの指輪を見てため息をつくことも増えていった。
そのころから母親が俺の顔を見て微笑むようになっていた。
その理由は2年後、俺が3年生になったときにわかった。