恋するマジックアワー(仮)

「はあ……」



泊まり込みの作業かぁ……。
あたしに、渡せないよう予防線はったのかな。

ありえすぎてツラい。


家で渡せないなら……そう思って、持ってきてしまったチョコレート。

軽い気持ちで、お腹減った時食べてくれないかな……。


「うーーん、どうしよぉ」


そうこう考えてる間に、時間は過ぎ……。
もう放課後。


タイムリミットは、迫っていた。


「どうしたんだ?」

「……え」


突然頭の上で声がして、弾かれるように顔を上げた。

茜色に染まる空を背にうけて、あたしを見下ろしていたのは……。


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