恋するマジックアワー
ゴシック様式の教会。
大きな門が開いていて、そこにはたくさんの花々が真っ白な壁を彩っていた。
中を覗くと、すでにたくさんの人がいる。
入り口には凝ったデザインのウェルカムボードが飾られていた。
「………ちさ、……こ……」
そう呟いた瞬間だった。
突然グイッと肩を引かれたかと思うと、見た事もない女の人があたしを覗き込んでいた。
「ああもう、どこ行ってたの探したよ!」
「え?」
「ほらほら!こっちよ。時間がないの!」
「ええっ!?」
だ、誰!?
わたしが何か言うよりも早く、強引に腕を引っ張られた。
ズンズンと中に連れ込まれ、ポンッと花束を渡れされた。