恋するマジックアワー
「それで? なんでここにいるの、海ちゃんが」
「…………」
挙式が終わり、披露宴を待つ間。
ロビーのソファにドカッと座った洸さんは、ジロリとわたしを見上げた。
か、顔がいいから、余計怖いんだけど……。
「えーと……その」
捕まる前に逃げようとしたわたしは、まんまと洸さんに捕まっていた。
「俺のあと、つけて来た?」
「……はい」
コクリと頷いて、肩を落とす。
怒ってる……。そりゃあ怒るよね。
勝手にあとつけられたら……。
「ったくもう。俺、超焦って大声出すとこだったわ」
「……え?」
ビックリして大声出す洸さん?
なにそれ、ちょっと見てみたかも。
「笑い事じゃない」
「……はい」
ちょっとだけ笑ったのを見逃さなかった洸さん。
キッと睨まれてしまった。
「なんでそんな事したの」
「それは……」
「それは?」
「……で、デートとか…お見合いだったらどうしようって……気になって」
ウソついてもダメかなって、そう思った。
バカだって、また呆れられちゃうよね。