恋するマジックアワー(仮)
「で、結局立花はどうすんだ?」
いつものカフェ。
そこでいつもの3人でパンケーキをつつく。
パクリと苺を頬張ったところで、牧野が言った。
「うーーん。デートって言われると抵抗感あるけど。 でもお礼にって言われたら、」
「断ってもいいんだって!」
ものすごく食い気味にあたしの言葉を遮ったのはもちろん留美子。
「あんな公衆の面前で海ちゃんをデートに誘うとか。三嶋の頭の中どうなってんの」
大きな口を開けて、ホイップたっぷりのパンケーキを口に運ぶ留美子。
どうやらまだご立腹だ。
「三嶋のそういう鋼の心臓?みたいなの、俺は尊敬するけど」
「はあ? 翔はどっちの味方なのよ」
「どっちって、三嶋も俺の友達だしな」
ふたりの言い合いは続く。
それを横目に、なんだか他人事のあたし。
デート……デートかあ。