恋するマジックアワー(仮)

「で、結局立花はどうすんだ?」



いつものカフェ。
そこでいつもの3人でパンケーキをつつく。

パクリと苺を頬張ったところで、牧野が言った。


「うーーん。デートって言われると抵抗感あるけど。 でもお礼にって言われたら、」
「断ってもいいんだって!」


ものすごく食い気味にあたしの言葉を遮ったのはもちろん留美子。



「あんな公衆の面前で海ちゃんをデートに誘うとか。三嶋の頭の中どうなってんの」



大きな口を開けて、ホイップたっぷりのパンケーキを口に運ぶ留美子。
どうやらまだご立腹だ。


「三嶋のそういう鋼の心臓?みたいなの、俺は尊敬するけど」

「はあ? 翔はどっちの味方なのよ」

「どっちって、三嶋も俺の友達だしな」


ふたりの言い合いは続く。

それを横目に、なんだか他人事のあたし。


デート……デートかあ。
< 209 / 222 >

この作品をシェア

pagetop