恋するマジックアワー


「海ちゃん、美術室見てた?」




留美子は優しくてイイ子なのだけど、物凄く洞察力が鋭い。

あのお祭りの日、牧野と留美子をみて複雑だったわたしの気持ちも、それから今のわたしのこの宙ぶらりんの気持ちにも気づいてるよね……。



「そー言えば、サハラ先生ってどこかで見た事あるんだよね……どこだっけ?最近だよ?」

「えっ」


やばい……

これはやばい……。
留美子が人物照会してる……。

話、話を逸らさなくちゃ!


「あ、あのさ。留美子っ」

「ん?」

「お祭りの日、なんて言われたの?」

「お祭り?」


キョトンとした留美子。

そしてわたしも、そう言ってしまった自分を呪った。

わざわざ聞く!?
留美子にだってきっとタイミングがあるはずで。
今じゃないのかもしれないのに!


わたしのばかあ~!

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