はやく俺を、好きになれ。
「いや。(半分)冗談だよ…。 陽もそう思っただろ?」



葉が雑誌を俺に差し出してくる。見れば見るほど、この女は真優にそっくりだ。



「……他人の空似だろ」

「……そう思いたいけどねぇ」



葉は何とも言えない表情をする。これがもし名前だけが同じだったとかなら面白可笑しく笑っていたのかもしれない。


だが似すぎだ。双子かと疑いたくなるくらい真優に似ていた。葉が笑えないのも無理はねえ。



「肝心の真優ちゃんに聞こうにも真優ちゃんは陽のことを“大嫌い”らしいしね」

「……掘り返すなよ」



モチベーションが直りつつあったが数時間前のことを掘り返されて地味に凹む。
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