はやく俺を、好きになれ。
「いっそのこと“マユちゃん”に乗り換えたらどうだい?」

「は?」

「もう真優ちゃんを想ってても陽に望みはないよ。5%もね。辛うじて1%はあるかもしれないけど陽には無理だよ」

「……」



直球すぎる言葉に凹むどころじゃねえ。槍が胸に刺さった。色んな女を知り尽くす葉に言われるのは尚更キツイ。


真優に嫌いと言われた後の断言だ。何十年越しの想いは今年で泡になって消えるのかもしれねえ。



「大丈夫だよ。陽には“まゆ”が居るじゃないか」



はい。と渡されたのはAV女優が掲載されたエロ雑誌。こんなもん、普段なら受け取らねえのに不可抗力で手に取ってしまった。
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