はやく俺を、好きになれ。




「ば…っ、馬鹿!」



バチーン!と頬を叩かれた。









……いてえ。


じんじんと痛む頬に赤い紅葉。


真優を怒らすのは本日二度目。


今日はどんだけ厄日なんだ。


羞恥か怒りか、耳まで赤く染める真優は叫ぶ。



「出てるわけないじゃん!」



そう言って睨み付け、逃げた。


性悪双子は俺の頬に咲く紅葉を見て笑っている。



「ぎゃはははは!普通真優ちゃんに聞くか!?やっぱり陽は生粋の馬鹿だ!」

「うひゃひゃひゃひゃ!まゆぽんに叩かれてやんの〜!好きな子にAV出てるか聞ける陽には尊敬するよ!」



双子の笑い声を聞いて自分がどれほど凄いことを言ったのかを理解して顔が真っ青になった。
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